NPO法人バディチームブログ

バディチームは子育て支援・虐待防止・里親支援を目的とするNPO法人です。

【本の紹介】つるかめ助産院 小川糸

寒い日が続き、すっかり冬本番となりましたね。

今回は、私にとって大きな影響を与えてくれた本の紹介をしたいと思います。

「つるかめ助産院」 小川 糸

里子として育った主人公まりあが、急に失踪した夫を探して南の小さな島にたどり着き、島でつるかめ助産院を開いている亀子先生に偶然出会います。
そして、そこで自らが妊娠していることを知ります。

亀子先生をはじめ、多くの島の人達との出会いと支えによって、
一人で子どもを出産することを決意するまりあ。
その中で自らの生い立ちや人との関係も見つめなおす、
成長と再生の物語です。

私は妊娠中にこの本に出会い、とても勇気づけられました。
まりあと同じように、実は私も妊娠中色々な大変な状況があり、
孤独と不安を抱えていました。

でも、この本の登場人物も皆が心に傷を抱えていて、いろんな人の傷に触れて成長したまりあが思う「みんな、苦しんで苦しんで、もがきながら生きている。人生の傷は誰かに代わってもらえるものではないのだから。ある意味、人は生まれ落ちた瞬間から、誰もが捨て子なのかもしれない。どこまでも孤独で、だからこそ、人と触れ合ったり助け合ったりすることに喜びを見いだせるのだ。」という言葉が胸に刺さりました。

私だけが大変じゃなく、
皆それぞれがそれぞれ大変な思いを抱えながら精一杯生きていること。
そして、私も決して一人では無く、
まりあが出会った温かい南の島の人たちのように、
私にも温かく見守り、お腹の子と私を支えてくれるバディチームの
皆の存在にこの本を通して改めて気づかされました。

また、里子として育った主人公が感じる孤独や
里親さんへの気持ちも丁寧に書かれていて、
主人公が色々なことを乗り越えて新たな一歩を
踏み出すラストに涙が止まらなくなり、
妊娠中から何度も読み返して、その度に勇気をもらった一冊です。

バディチームの皆さんや大勢の人に支えてもらって出産した息子も、もうすぐ3歳になります。そして、私自身が色々な人に支えてもらいながら日々子育てをしていて、
今でも「つるかめ助産院」を時折読み返してやっぱり励まされています。

そして、いつかバディチームが、このつるかめ助産院のように、命を育み育てる全ての人にとって支えとなることが出来るように、これからも活動を通して
多くの人の支援が行えるように頑張ろうと決意を新たにさせてくれる一冊です。

 

(スタッフ Rママ)

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