バディチームの訪問型支援活動を大別すると育児と家事がありますが、
そもそもなぜ「子育て支援」に家事援助が含まれるのでしょうか。
ここで例え話をします。
駅のホームには、腰が曲がり、膝の具合も悪そうなおばあちゃんがいます。
とても大きくて重そうなリュックをしょって、両手にいくつもの大荷物を持っています。
おばあちゃんはもう歩くのが難しく、ふらふらしている上に、顔色も悪そうです。
ホームではたくさんの人が慌ただしく乗り降りして、みんなおばあちゃんに見向きもしません。
その時あなたはどうするでしょうか。
おばあちゃんの腰や膝の痛みを治すことはできないし、
あなたにも次の予定があり、おばあちゃんの家までは付き添えません。
あなた自身も腰痛があり、すべての荷物を代わりに持つことや、
おばあちゃんをおんぶして階段を上ることができないかもしれません。
それでも
荷物を一つでも代わりに持つこと、
階段ではなくエスカレーターの場所を教えること、
自分が行けるところまで付き添うこと、
おばあちゃんが一息つけるベンチを探すこと、
おばあちゃんの困っていることを聞き、駅員さんに協力を頼むこと、
などなど、ほんのちょっとでも、何かしらできることはあるのではないでしょうか。
問題をすべて、一瞬で、ひとりで、解決するのは不可能なことです。
それでも、自分ができる形で、まずは相手のために動くことで、
おばあちゃんの抱える様々な「つらさ」の一部分を少しでも軽くできるのではないでしょうか。
バディチームの支援の在り方も、このような状況に通じる部分があると思います。
子育てにおいても、それぞれの家庭が抱える問題は多様で、
家族の個人的な問題のみならず、社会的な要因も複合的に絡み合っています。
お父さん、お母さんだけではどうにもできないこと、
またバディチームの活動だけでもすぐに解決に導けないことが大半です。
しかし家庭内の問題が大きくなればなるほど、そのひずみは子どもに影響していきます。
そこでまずは各ご家庭に寄り添い、それぞれの家庭が抱えるたくさんの「荷物」すなわち負担を軽減することが、子育てを支えることにつながると考えています。
何が負担となっているか、何を必要としているか、そのご家庭の状況によっても異なりますが、
私は家事をやらせていただくことによって、そのご家族がまずはその日一日、一息ついて気持ちよく過ごせればいいな・・・
「負担」を少しずつ軽くしていくことの小さな積み重ねが、そのご家族にとっての変化のきっかけや糸口の一助になればいいな・・・
と考えて取り組んでいます。
家事には特別なスキルや資格、専門的な経験は必要ありません。
最も大切なのは、
子どもたちが心身ともに健やかに育てるように、
子育てに不安や悩み、負担を抱える保護者が少しでも楽になるように、
助け合う、支えあう、寄り添う姿勢や気持ちだと思います。
子育て支援に興味を持っている方、家事なら手伝えるという方、ぜひ一緒に活動しませんか(^^)/
事務局のFでした。